方法と限界
数値の作り方と、どこまで信頼できるか
地域別相場
- 国土交通省の不動産取引価格情報(実取引)のうち、中古マンション等・宅地(土地と建物)・宅地(土地)を使います。㎡単価は、取引価格を面積(マンションは専有面積、ほかは土地面積)で割った値です。
- 「特殊な事情」(私道を含む・関係者間・調停/競売など、約5%)が記載された取引は除きます。
- 代表値は平均ではなく中央値です(極端な値の影響を抑えるため)。四分位範囲は、取引の真ん中半分が入る区間です。
- 期間は直近5年(2026Q1まで)。「前年比」は直近4四半期と、その前の4四半期の中央値の比較で、各期間に5件以上あるときだけ出します。
- 市区町村別・駅別は取引30件以上のみを載せます。築年・面積・駅徒歩別の表は、区分ごとに10件以上のみです。
品質補正(相場の推移)
中央値は、取引された物件の築年・面積・駅距離の構成で変わります。そこで、市区町村・種別ごとにヘドニック回帰という統計モデルを当てはめ、築年・面積・駅距離・用途地域・改装の有無などの影響を取り除いた「基準物件の㎡単価」を四半期ごとに推定します。基準物件は、中古マンションが専有60㎡・築20年・徒歩8分、戸建て(土地と建物)が土地100㎡・築20年・徒歩10分、土地が100㎡・徒歩10分です。都県の線は、市区町村の推定を取引件数で重みづけして合成しています。
- モデルは統計的な推定で、実際の取引価格そのものではありません。過去の時点で未来を予測する検証でも、誤差が残ることを確認しています。
- 直近の四半期は取引の公表が遅れるため、後から改訂されることがあります。
駅別相場
取引価格情報の「最寄り駅」ごとに、直近3年の㎡単価の中央値を集計します(中古マンション・戸建てのみ。土地は駅距離との関係が弱いため載せません)。駅からの距離や築年・面積の構成は駅ごとに異なり、順位にはそうした条件のちがいも含まれます。
地価(公示地価)
国土数値情報の地価公示データ(毎年1月1日時点)の標準地を使います。市区町村別は、最新年の標準地の中央値で、標準地が5地点以上のところだけ載せます。指数は、地点ごとの前年比変動率の中央値を毎年つないだもので、標準地の入れ替わりの影響を受けにくい代わりに、水準の比較には向きません。
価格の要因(曲線)
各市区町村のヘドニックモデルの係数(築年・面積・駅徒歩の効果)を、モデルの標本数で重みづけした中央値で都県ごとにまとめ、基準物件を1.0とした倍率の曲線にしました。同じ都県・種別で、単独で当てはめたモデルが3つ以上あるときだけ描きます。他の条件を同じにしたときの平均的な傾向で、個別の物件の価格を示すものではありません。
競売の割引率
- 落札価額 ÷ 相場: 落札価額を、同じ市区町村・種別で、同じ面積・築年の物件の推定相場(中央推定値)で割ります。
- 落札価額 ÷ 基準価額: 落札価額を裁判所が定めた売却基準価額で割ります。観測値をそのまま割っており、モデルの推定は入りません。
- 2つの値は同じ標本(6,809件)から計算します。裁判所の不動産競売物件情報サイト(BIT)の過去の売却結果のうち、2023~2026年度の落札分で、落札価額・売却基準価額・面積・建築年・市区町村のみを使い、文書・写真・住所・事件の情報は使いません。
- 相場の基準時点は落札年度の中間時点で、モデルの最新四半期は2026Q1です。
- 入札者数別の集計は、このサイトが収集した落札結果から作っています(標本が小さい点に注意)。
次は相場を計算できないため集計から除きます: 土地(更地)の落札、市区町村を特定できない件、その市区町村・種別の相場モデルがない件、面積または建築年がない件、相場モデルが扱う範囲外の件、売却基準価額が異常に小さい件(プレースホルダーと見られる値)。件数は下表のとおりです。
| 理由 | 件数 |
|---|---|
| 面積または建築年がない | 252 |
| 相場モデルがない | 13 |
| 市区町村を特定できない | 396 |
| モデルが扱う範囲外 | 141 |
| 土地など対象種別ではない | 417 |
| 売却基準価額が異常に小さい | 71 |
競売の集計は、築年区分(都県×種別)は標本10件以上、市区町村別は30件以上(マンション・全築年)のみ公開します。標本が少ないと偶然の影響が大きいためで、同じ地域の標本を無作為に半分に分けて比べると中央値がかなり変わることを確認しています。
限界
- 相場は推定値です。モデルが説明できない要因(占有の有無、管理状態、階・向き、修繕の必要度)は反映されません。競売物件にはこうした不利な条件が多いため、「落札価額÷相場」が低いのは純粋な割引ではありません。
- 戸建ての競売集計は参考です。過去の落札データに建物面積がなく、土地面積と築年だけで推定します。建物面積が分かる落札物件で点検すると中央値は大きくずれませんでしたが、1件ごとの誤差は大きいです。
- 競売の時間の解像度が低いです。元データには落札日がなく年度のみです。また年ごとに落札物件の築年・地域の構成が変わるため、年度別の値をつなぐと実際にはない傾向に見えることがあります。そのため競売の年度別推移は載せません。
- 落札価額は総取得費用ではありません。取得費用、明渡し費用、修繕費、税金は含まれません。
- 元データは変更・訂正されることがあります。このサイトは取得時点の公開情報を集計したものです。
更新
週に1回、自動で集計し直します。基準日は各ページの下部に表示します(2026Q1 / 地価2026年 / 競売集計2026-10-03)。